【財務諸表の基礎知識②(損益計算書)】

事業をおこされる方にとって、『財務諸表』の知識は必須うといえます。

ここえは、経営として必要な『財務諸表』の基礎知識についてその基本構造をご説明いたしております。

そのうち、こちらの頁では『損益計算書』(一般に「P/L」とよばれます。)を主テーナに取り上げております。

(一般的な株式会社の『財務諸表』の場合の例でご説明いたしております。)

 

財務諸表の全体構造

一般的な企業の場合(卸売業や小売業など)ですと、『貸借対照表』(一般に「B/S」とも表記されます。)および『損益計算書』(一般に「P/L」とも表記されます。)の、2つセットとなることが多いです。

製造業や建設業などのケースですと、これらの2つに加えて『製造原価報告書』(建設業の場合ですと『完成工事原価報告書』)の通称「C/R」がつくこととなります。

[『損益計算書』(P/L)の基本構造]            

                       (単位:円)

 科    目

   金   額

Ⅰ売上高

Ⅱ売上原価

 期首商品棚卸高

 当期商品仕入高

 

 

    ××××××

      ×××××× 

        ××××××

   

     計

     ××××××

 
   期末商品棚卸高   

    ××××××  

××××××

 売上原価   ××××××

Ⅲ販売費および一般管理費

 役員報酬

 給料手当

 法定福利費

 福利厚生費

 修繕費

 事務用消耗品費

 通信交通費

 水道光熱費

 租税公課

 公告宣伝費

 接待交際費

 保険料

 地代家賃

 減価償却費

 …

 雑費

 

 

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

××××××

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

××××××

  営業利益(or営業損失)

  ××××××

Ⅳ営業外収益

  受取利息配当金

  雑収入

 

××××××

××××××

 

 

××××××

Ⅴ営業外費用

  支払利息割引料

  貸倒損失

 

××××××

××××××

 

 

××××××

 経常利益(or計上損失)
 

××××××

Ⅵ特別利益

 固定資産売却益

 

××××××

 

Ⅶ特別損失 

 火災損失

 

××××××

 

税引前当期利益

法人税、住民税及び事業税

当期純利益(or純損失)

 

××××××

××××××

××××××

 

[損益計算書の基本構造の補足解説]

【Ⅰの売上高】

 主たる営業活動による収益を記載します。

【Ⅱの売上原価】

 売上高を上げるための商品の原価を記載します。

 ここでは、(期首商品棚卸高)+(当期商品仕入高)=(計)

 として、一旦(計)を算出し、

 これから(期末商品棚卸高)を減算して、

(計)-(期末商品棚卸高)=(売上原価)

 (売上原価)を求めて記載します。

【売上利益】

 「Ⅰ売上高」-「Ⅱ売上原価」=「売上総利益」

【Ⅲの販売費および一般管理費】

 販売活動や一般管理活動にかかった費用を記載します。

 従業員の給料や家賃などがこちらに記載されます。

【営業利益】

 「売上総利益」-「Ⅲ販売費および一般管理費」=「営業利益」

  当該企業が行った営業活動から得られた利益を示します。

【営業外収益】

  主たる営業活動以外で発生した収益を記載します。

  受取利息などがこちらに該当いたします。

【営業外費用】

  主たる営業活動以外で発生した費用を記載します。   支払利息などがこちらに該当いたします。

【経常利益】

  「営業利益」+「営業外収益」-「営業外費用」=「経常利益」

  当該企業が経常的な活動より得られた利益を示します。

【特別利益】

  臨時的に発生した収益を記載します。

  固定資産を売却した際の売却益などが、こちらに該当します。

【特別損失】

  臨時的に生じた損失を記載します。

  天災などにより生じた損失、例として火災損失などが、こちらに該当します。

【税引前当期純利益】

 「経常利益」+「特別利益」-「特別損失」=「税引前当期純利益」

 当該企業の一会計期間における全ての収益と費用とを考慮した結果得られた利益 を示します。

【法人税、住民税及び事業税】

 一般的に【税引前当期純利益】に対して計算された当期の法人税・住民税・事業 税の合計額を記載します。 

 通常、『貸借対照表』の(未払法人税等)に対応したものとなります。

【当期純利益】

 「税引前当期純利益」-「法人税、住民税及び事業税」=「当期純利益」

 当該企業の最終的な利益を示します。

参考ー建設業許可業者の様式ー

建設業の許可業者(また新規に許可申請を予定の方も含む)につきましては、所定の様式が定められております。

所定の様式以外の財務諸表では受付してもらえません。

そのうち損益計算書の様式は第十六号という様式を用います。

ご参考に下にその様式の記載例についてPDFファイルにてに掲載しておきます。(出典は「平成27年4月改定版/建設業許可申請の手引き(監修:福岡県建築都市部指導課/発行:福岡県建設業共同組合)」より)

(様式第十六号)『損益計算書①、の頁の部):①
SCAN1279_000.pdf
PDFファイル 167.7 KB
(様式第十六号)『損益計算書②、の頁の部):②
SCAN1280_000.pdf
PDFファイル 142.8 KB
(様式第十六号)『損益計算書/記載要領、の頁の部):③
SCAN1281_000.pdf
PDFファイル 270.6 KB
(様式第十六号)『完成工事原価報告書、の頁の部):④
SCAN1282_000.pdf
PDFファイル 106.3 KB

★当方は当該頁の内容等についての責任は負いません。★